ラグビー未経験の人たちのために、ラグビーの敷居をもっと低くしたい。いつでもプレーできる環境、いつでもやめていい環境そんなラグビーを提供したい──渋谷インターナショナルラグビークラブでは、徳増浩司代表を中心にドラマのスピンオフ企画さながら、クラブ本体の活動以外にも、さまざまな施策を打ち出して活動しています。

↑ 渋谷インターナショナルラグビークラブのラグビーカジュアル化計画

■小学校を訪問してENJOY TAG!

2020年の秋から展開している「小学校を訪問してENJOY TAG!」。渋谷インターナショナルラグビークラブらしく、子どもたちとのコミュニケーションは英語で。教えるのは、オーストラリア、イングランドなど英語圏出身の渋谷インターナショナルラグビークラブのコーチ陣です。

その意義は二つあります。ひとつは、日本語を介在させないで「英語」だけで体を動かすことで「英語⇔アクション」というコミュニケーションの体験ができるということ。もうひとつは、英語独特のリズム感やノリが、タグラグビーをより楽しい体験にしてくれるということ。
子どもたちの感想は「先生たちが明るくて、おもしろくて、楽しく英語とタグラグビーを学べた」「英語を聞こうとして分かった時や、伝えようとして伝わった時にすごくうれしかった」「外国の先生と英語で伝えることの大切さも学んだし、またやってみたい」

この「ENJOY TAG!」は体育の授業の一環として行われるものです。場合によっては子どもたちに向けて「スポーツを通じた国際交流」や「グローバルコミュニケーション」をテーマにしたミニ講演もセットで提供しています。

最近は、この施策が口コミで伝わり、他県から逆にオファーをいただくこともあります。2022年の6月には、遠方への出張も実現。石川県小松市の小学校から茨城県の勝田高校へと、連続しての「ENJOY TAG!」。石川県ではテレビの取材も入り、充実の遠征となりました。

■中学生チームによるセブンズの大会

2021年11月29日、「第1回 BSTセブンズ」が開催されました。近隣から16チーム・160名を超える中学生たちが川崎市のBST長沢グラウンドに集まり、全24試合が行われました。
優勝したのは神奈川DAGS(麻生RSとグリーンクラブによる中学生チーム)、千歳中学Aという結果でした。

高校生のセブンズ(7人制ラグビー)の大会というのはあったのですが、中学生の大会はなかった。それが「BSTセブンズ」開催の大きな理由です。セブンズは、15人制のラグビーにとっても、ひとりひとりのスキルを高めるのに有効だと考えられていますので、そうした意味でも、実現させたかった大会なのです。

■高校生のチーム「渋谷バーバリアンズ」

渋谷インターナショナルラグビークラブには「Colts」という高校生年代のクラスもあります。けれども現在のところ、単独で試合ができるだけの人数がいません。そこで、年に数回ですが「渋谷バーバリアンズ」として、その都度メンバーを内外から募集してゲームをしています。通っている高校にラグビー部がないけれど、たまにはラグビーをしてみたい、そんな高校生の受け皿になればと活動しています。

そしてこのムーブメントが、日本ラグビーフットボール協会にも認められました。2022年11月27日(日)、「U19フレンドリーエリアマッチセブンズ」という大会が開催され、「湘南アルタイルズ」、「エコパラグビーハイスクール/学校法人沼津学園桐陽高等学校」、「渋谷インターナショナルラグビークラブ/東京都立青山都立高等学校」、「神奈川県立生田高等学校」が交流戦を行いました。いずれのチームも、通っている高校にラグビー部がないといった環境の学生のためのクラブです。

■都立青山高校での「平日ラグビー教室」

2022年にスタートし、6月と11月に、数回ずつ実施した「平日ラグビー教室」。対象は小学3年生から中学生のプレーヤー、場所は都立青山高校です。この施策のテーマは、以下の二点にあります。

  • 高校のラグビー部活動を地域に広げること
  • 高校生がラグビーの普及活動に参加すること

11月には、渋谷インターナショナルラグビークラブだけでなく、文京ラグビースクール、みなとラグビースクールからも参加者がありました。小学生から高校生までが、いっしょに混じってゲームをする。コミュニケーションも日本語と英語が混じったりしていて、なかなかユニークな試みではないかと考えています。

■女子クラス「Reds」始動

渋谷インターナショナルラグビークラブでは、2022年4月から女子のクラスを新設しました。小学3年生から6年生までが在籍、コンタクトあり、コンタクトなし、両面でラグビーを楽しめるように考えています。

高学年になると、男子といっしょにプレーするのに抵抗を感じる子どもいます。そういう背景もあって新設されました。が、希望者は、中学年・高学年のクラスに入って男子といっしょにプレーする選択肢も用意されています。

「レッズ」は世田谷区ラグビースクールとも提携、中学生以上の年代になってもプレーできる環境を整えていきたいと考えています。

■女子のためのイベント「BSTガールズラグビーフェスティバル」を開催

2022年5月8日には、「レッズ」クラスのスタートを後押しする意味も含め、渋谷インターナショナルラグビークラブとしては大きなイベントを企画・開催しました。題して「BSTガールズラグビーフェスティバル」。ブリティシュスクールイン東京(BST)との共催です。この種の女子向けのイベントは、経験者対象になることが多いのですが、このフェスティバルでは、未経験の女子にもたくさん参加してほしいということで告知に力を入れました。

「ガールズ・ラン・フリー」(女の子たちよ、自由に走り回れ)をスローガンにかかげ、6歳から18歳まで幅広く参加者を募り、当日は98名の女子が集結してくれました。そのうちの半数近くがラグビー未経験者。女子ラグビーチームである横河武蔵野アルテミ・スターズから選手たちがゲスト参加してくれたり、東京・青山のヘアサロン「Violet」の協力のもと「メイク&ビューティーショー」を実施したり、女子ラグビーを広めるという意味では大成功のイベントとなりました。